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不完全燃焼なんだろ!?(音色) 9月某日。 自宅で呑んでいて突如「不完全燃焼なんだろ!?」と歌いながらじたばた暴れ始めた音色。 直後、「こんなに暴れたら下の住人から怒られる! だけどやっぱり不完全燃焼なんだ!」と独り叫び、再び始めに戻る、の繰り返し。 その場にいた者たちは、なすすべなくその様子を見守るしかなかった。 なお原曲は石川智晶の歌う「不完全燃焼」だが、音色の方が歌い方に実感が籠っていた。
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不完全燃焼、恋愛模様 「なんや千歳、お前随分暗い顔しとるなあ」 部室のドアを開けた瞬間、千歳はチームメートに突っ込まれた。 「そうかね?」 力なく返事をして荷物をロッカーに詰め込む。 制服を脱いで着替えていると、白石がやって来た。 「お疲れさん。あ、千歳、お前今日部活終わったら一緒に帰ろうや」 「あ、すまん。今日はちょっと用があるけん帰れんばい」 「用って何の用や?」 「話しがあるけん待っとってくれち言われとる」 「誰に?」 「1組の女子」 「タオルの子か?」 「ああ」 「ふうん……なら別にええわ」 「すまんな」 ドサリと置いた白石のバッグから、何かがこぼれた。 「ん、白石何か落ちたばい……」 それに気付いた千歳が落ちた物を拾う。 「ああ、すまん」 「これ……」 千歳が拾ったのは、今日の昼に汐屋が木の枝に引っ掛けていたあの手紙だった。 驚いて動きが止まった千歳から手紙を受け取ると、白石は笑った。 「やっぱりラブレターっちゅーもんは、なんやしらんけどもらうと嬉しいもんやなあ」 「部長、またラブレターもろたんですか?」 「ほんま、モテすぎるっちゅーのんも困りもんやで」 「うわー、普通のヤツが言うたらムカついてしばきたなるけど、部長が言うたら素直に納得ですわ」 「白石・千歳はうちの学校の二枚看板やしなあ。中学ん時も二人がおった四天宝寺中はイケメンばっかりやったし、ファンもぎょうさんおったからな」 部室で談笑する仲間の声を他所に、千歳は上の空のまま着替えてラケットを握りしめた。 「俺、先に行っとるけん」 部室を出てラケットをフェンスに立てると、ストレッチを始めた。 頭の中は真っ暗だ。 普通真っ白と表現するのかもしれないが、今の千歳の頭の中は黒いのだから、やはり真っ暗だ。 汐屋が渡した、白石へのラブレター。 一体どんな事が書いてあるのだろう。 って、ラブレターなんやけん、好きですって書いてあるに決まっとるたい。 心の中で自分に突っ込む。 情けないどころか、これはまさに惨めだ。 いっそのこと白石に尋ねてみようかと考える。 しかし何と尋ねていいのか分からない。 「千歳」 「……白石」 後ろからやって来た白石に、複雑な表情を寄越す。 白石は爽やかに微笑む。 「……何かお前、えらい機嫌良さそうばってん」 「そらあ、女の子からラブレターもらって嬉しくない男はおらんで」 「さっきのか?」 「そうや。しっかしラブレターなんて久しぶりで、なんや新鮮味があってドキドキしたわ」 「ーーー誰からもらったとや?」 分かっているが、せっかく白石自ら話しを振ってくれたのだから聞いてみる。 「そらあ内緒や」 「俺の知っとる人ね?」 「何でそんなこと聞くんや?」 話しを濁す白石に、はたと気付く。 白石は千歳の好きな人を知っている。それならもし汐屋からラブレターを貰ったのなら教えてくれるはずだ。 ーーーいや、ばってんもし白石も汐屋の事ば好いとったら、汐屋からラブレター貰ったって教えるやろか? 確かに、もし白石も汐屋の事を気に入っているとしたら、誤摩化しても可笑しくない。 千歳は初めて白石に対して腹立たしさを感じた。 それだけ汐屋の事が気になるのだ。 「なんね、俺には教えられんってこつね?」 「そういうんやない。くれた女の子の事考えたら、ペラペラとしゃべることやないやろ?」 「まあ、そうたいね」 「そういう訳で、内緒やーーーおい、お前ら、さっさとストレッチして走るで!」 部室から次々出て来る部員にはっぱを掛けると、白石は千歳の前屈を助けながらボソリと小声で言った。 「なあ千歳。惚れたら負けやなんて、嘘やで?」 「え?」 「おいコラ! 真面目にせえ! 怪我したらかなんで、もうすぐ試合やねんからな!」 白石の言った言葉の意味を尋ねようとしたが、千歳はタイミングを逃してしまった。 続く… お読みくださり、ありがとうございます。 恋する男は複雑なのでございます(笑) 次へ ↓ 不完全燃焼、恋愛模様.12
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#blognavi やばいくらい気持ちいい。ランナーズ・ハイっていうのは良く聞きますが、まさにそんな状態です。自分を追い込むことで、へんな化学物質が出てるに違いないです。さらにヘロヘロの状態で寝転ぶ芝生の上がまたキモチイイ!もう酔いまくり~。「今日は熱帯夜だねー」「じゃーおれ熱帯魚~」てなもんですわ。今日はぐっすり眠って、幸せな夢が見れそうです。 だからって、自分の世界に入りすぎて、同期との会話ゼロってのはさすがに反省ですが。。 カテゴリ [独り言] - trackback- 2006年08月20日 20 25 48 名前 コメント #blognavi
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不完全燃焼、恋愛模様 昼食の定食をがっつり食べてしばらくウインドーショッピングをした後、4人はテニスコートでテニスを楽しんだ。 やったことがないと言っていたが、運動神経の良い汐屋は少し教えただけでラリーが続くまでに上達した。 そして忍足はすっかり汐屋の事を気に入ったらしく、別れ際今度の大会の応援に来る約束を、半ば強制的に汐屋に取り付けていた。 忍足が帰り、帰る方向が同じ3人は帰りの道を歩いていた。 ふと白石が隣りを歩く千歳を見上げる。 「千歳」 「何ね?」 「汐屋、何か嫌な事があったんやないか?」 「そうやろうね」 「お前、話し聞いてやり」 「ーーー話してくれたら聞くたい」 「そんな消極的やから、お前自分の気持ちに気付いてもらえへんのやで?」 「……別にいいやろ。白石には関係なか」 言葉に詰まる千歳に、白石はふと少し先を歩く汐屋の足下に視線を落とした。 「汐屋って、危ない人やねん」 「は? 危ない?」 白石の言葉の意味が分からず、千歳は眉間にしわを寄せる。 「せや。なんちゅーか、言葉通りやなくて、ほっとけん。っちゅーたらええんやろか?」 「ああ……」 それならなんとなく千歳にも分かる。 どこかしら壁を作っている汐屋は、本当の自分をさらけ出せずにいるのだ。 それ故に気付かぬうちに無理をしてしまって、時折その無理が出てしまう。 だから危ないと白石は思ったのだろう。 それが適切な表現かどうかは分からないが、危ういとも放っておけないとも少し違う。 やはり危ないが一番近いのかもしれない。 「前から思うとったけど、汐屋ってええ子やろ?」 「そうやね」 「そのええ子って、どこでバランス取ったらええんやろか。嫌な子って気付かんうちに我が儘言えるから、きっとバランス取る必要が無い思うねん。せやけど、ずっとええ子ってのは例えそれが地でも、たまには甘えたり我慢せんでやりたい事やって言いたい事言って、バランス取らなあかん思うねんーーーでも、汐屋はそれが恐ろしく下手な子や思う」 それは千歳にも分かっている。 どこかしら周囲の人間と壁を作っているのは、恐らく過去に何かあったからだろう。 しかし、汐屋の場合自分のコントロールがあまり上手に出来ないから、そうやって壁を作る事で人と密にかかわらないようにしてバランスを辛うじて保っているのだと思われた。 話し、してくれるやろうか? そう思った所で汐屋が振り返った。 「それじゃあ、私こっちだから。今日は楽しかった。千歳君、白石君、ありがとう。また明日」 「あ、汐屋待って」 「え?」 白石に呼び止められ、汐屋は立ち止まる。 「危ないから千歳が家まで送るて」 「え? いいよ、ここからそんなに遠くないし」 「あかん。最近物騒なんやで? こいつと一緒なら暴漢も襲ってこーへんし、な?」 「でも……」 「俺じゃ頼りなか?」 「そんなんじゃないよ、悪いなあって思ってさ」 「悪い事とかなかよ、俺が送りたいっちゃけん」 「ーーーありがと」 「じゃあ、俺はここで。またな」 「うん、さよなら、白石君」 「また明日」 手を振って爽やかに去る白石を見送り、汐屋と千歳は歩き出した。 「本当にごめんね。遠回りになるとに」 「さっきも言うたやろ? 俺が送りたかったっちゃけん、汐屋が気にすることなか」 「うん」 しばらく無言が続いた。 千歳は隣りを歩く汐屋の頭を見下ろしながら、どう切り出そうかと悩んでいた。 「ーーーさっき」 「えっ?」 ぼそりと話し出した汐屋に、千歳は一瞬ドキリとする。 「さっき、忍足君が言っとった、標準語と九州弁やけど」 「ああ、うん」 千歳は汐屋の言葉の次を待った。 「やっぱりおかしいやろか?」 「何が?」 「私の方言」 「は? 別に、俺は九州弁の方が好きやけん使いよるだけやし、それがおかしかとか思わんばってん……なんか言われたと? 白石が何かあったとかって聞きよった時、何もないって言ったけど、本当は何かあったっちゃない?」 優しく尋ねた。 汐屋はしばらく何も言わなかった。 やはり答えてはくれないのかと残念に思った時、汐屋が急に顔を上げた。 あまりに急だったので、千歳は反射的に足を止めてしまった。 「ど、どげんしたと?」 口がどもる。 「何もなかよ、ホントに。千歳君も白石君も気にしすぎたい。あ、うちここやけん」 そう言って足を止めた汐屋の後ろには小さなアパートがあった。 二階建ての、古めかしいこじんまりとしたアパート。 お世辞にも綺麗とは言えない、色味の薄い寒々しい建物だ。 「じゃあ、また明日ね。今日は楽しかった」 「こっちこそ」 やはり教えてはくれなさそうだ。 小さく手を振って錆びた階段を上って行く汐屋の姿を見送りながら、千歳は溜め息をついた。 家の鍵を開けて中に入る前に汐屋は千歳を振り返り、もう一度笑顔で小さく手を振った。 それに答えるように千歳も軽く手を上げる。 パタリと静かに閉まったドアを確認すると、千歳は踵を返した。 あのドアの向こうで、汐屋は一体どんな事を考えているのだろう。 もう少し距離を縮めることは出来るのだろうか。 脇に抱えたハンドタオルの感触に、今日一日でたくさん見ることの出来た汐屋の表情を思い出した。 確かに楽しそうにはしていたが、もっと違う、心の奥からの笑顔が見たいと千歳は思った。 夕日を眩しそうにちらと見る。 無機質なビルや家を黒い影に変えるその赤い光に、言い様のない寂しさを感じた。 続く… お読みくださりありがとうございました。 ヒロイン、元気出せ!(人ごとw) 次へ ↓ 不完全燃焼、恋愛模様.9
https://w.atwiki.jp/seiryuu53/pages/13.html
この@パで追加した機能についての説明です まず預かり所での「@売る」で1つのアイテムを複数売れるようになりました 「@まち」で家を建てれば自宅販売ができます しかし同じアイテムを複数販売することができません LVがストック制から一気に上がるようになりました (いろんな@パをやってる方はわかると思いますがLvが○○上がったと表示されます) これからもなんか追加していこうと思います
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不完全燃焼、恋愛模様 「汐屋~!」 「忍足君」 忍足は広い運動公園の遊歩道を歩いてやって来る汐屋の姿を見つけ、大きく手を振った。 それに気付いた汐屋がこちらへやって来る。 「久しぶりやな、汐屋」 「メールしてるじゃない」 「会うんはあの日以来や」 「ああ、そうか」 楽しそうなその様子を見て、忍足と一緒にいた二人組のうちの眼鏡をはめた坊主頭が声を荒げる。 「ちょっと謙也! その女誰っ!?」 裏声を駆使した声音と奇妙な動きに、汐屋は一瞬怯む。 「おい待て、浮気か?」 坊主頭の肩を掴んで、二人組の片割れが凄む。 「ウルサいわね、今それどころや無いねんっ!? ちょっと謙也!」 「それが浮気や言うてんねん、死なすど!」 何故か痴話喧嘩のような状況に陥る二人に、忍足が面倒くさそうに頭を抑える。 「あーもうやかましな。すまんな、汐屋。こいつら俺のチームメートの金色小春と一氏ユウジ。見ての通り、ちょっと……いや、かなり頭おかしいねん」 「誰の頭がおかしいのよっ! この泥棒猫っ! あたしの謙也にちょっかい出すんじゃないわよっ!?」 「ーーー出してないけど……」 「小春、お前ちょっと黙っとれ。汐屋、俺達次試合やねん。応援したってや?」 「うん、頑張ってね。えっと、金色君と一氏君も頑張ってね」 「あ、あら。いい子じゃない……でも謙也は渡さないわよっ!?」 「せやから浮気は許さん言うてるやろ!?」 ぎゃーぎゃー騒ぎながら小春と一氏がコートの中に入って行った。 汐屋がそれを眺めながら苦笑する。 「賑やかな友達だね」 「せやろ? あいつら中学ん時から一緒やねん」 「そうなんだ。じゃあ千歳君と白石君も知ってるんだ」 そう言ってまだ何やらふざけている小春と一氏から忍足に視線を戻した汐屋に、忍足はほんわかとした気持ちになる。 「ああ……なんや自分、ほんまにええ子やなあ」 「へ?」 「あ、いや、なんでもない。それじゃあ頑張って勝ってくるか。俺のあまりのかっこよさにびっくりすんなや?」 「ふふふ、分かった」 忍足が腕を回しながらコートに入って行くと、あちこちから声援が飛んで来た。 千歳と白石の学校での人気もすごいが、忍足も負けないくらい黄色い声援を受けている。 「小春とユウジ、相変わらず息ピッタリやな」 「あ、白石君」 フェンス越しに変なカツラを被った小春達の不気味なダンスを見ていると、汐屋の後ろに白石がやって来た。 今日汐屋が試合を見に来る事は知っていたので、忍足と一緒だろうと思い様子を見に来たのだ。 「白石君達の試合は?」 「この試合で勝った方とや」 「そうなんだ。じゃあ忍足君達が勝ったら面白そうだから気合い入れて応援しようっと」 そう言って笑う汐屋を横目で見て、白石がジャージのポケットに手を入れる。 「ーーーそういえば、この間の手紙やけど」 「ああ、読んでくれた?」 「そらあな……なんや、もしかして貰った手紙読まんと捨てたりする男に見えるん?」 「ううん。見えない」 「はは、良かった。で、返事やねんけど……」 「千里! こっちこっち!」 白石の言葉を遮るように、反対側のフェンスから大きな声が響いてきた。 見るとそこへ千歳と可愛らしい少女が現れた。 「あ、千歳君……」 「ほんまやーーーあいつ、今千里って呼ばれよったな」 「あ、そうか、千歳君の名前って千里だったね。隣にいる子、一組の子だったかな……もしかして、彼女かな?」 「ーーーさあ、知らんわ」 「この泥棒猫~~~~!!!! あたしの蔵ノ介にまで手ぇ出しとんのかっ!? 離れろっ! 蔵の半径10メートル以内に入るんやないっ!!」 「小春っ! お前謙也だけやなくて白石とも浮気しとるんかっ!? 死なすどっ!」 白石と並んで話している汐屋に気付いた小春が、鬼の形相で二人の目の前のフェンスにしがみついた。 あまりに突然で、汐屋は驚き損ねてしまった。 それを後ろから来た一氏が引きはがそうと引っ張る。 「ーーーだから違うって、ただ話してただけだよ」 「どこが違うっちゅーねん! そんなにくっつきよって! ぺっぺ!」 「汚っ。小春、お前試合中やで? ええ加減にせんと……」 「……ひいっ! ごめん部長っ!」 静かな低い声で嗜められ、小春達は急に青い顔になると大人しくベンチに戻って行った。 「やっぱり離れえっ!」 「小春っ!」 ベンチに戻りながらも汐屋に向かってきいっと歯を剥き出す小春に、汐屋は苦笑した。 「あーびっくりした。金色君って、いつもあんな感じなの?」 「あれは計算。キャラ作ってるだけや。あいつらああやってアホな事やっとるけど、めちゃくちゃ頭脳プレーが得意やねん」 「へえ」 「敵に回すと厄介やで」 「ーーーじゃあ仲良くしとかないと」 「せやな」 「さっき白石君が凄んだ時、ごめん部長って言ってたね」 「中学ん時のが抜けてないんやろ。アホやな、やっぱり」 「ふふ。あ、そうだ。さっき話しの途中だったよね。で、手紙の返事……」 続く… お読みくださり、ありがとうございます。 次へ ↓ 不完全燃焼、恋愛模様.14
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不完全燃焼、恋愛模様 「いて……」 汐屋から完全に見えない場所に来ると、千歳は大きなため息を吐きながらその場にへたり込んだ。 さっき頭を掻いた時に怪我の跡を引っ掻いてしまい、ヒリヒリする。 なんか知らんけど、泣きそうーーー 「何しとんねん、千歳」 「ーーーはあ。よりによって一番会いたくなかヤツに、なんで会いたくなか時に見つかるかね」 「はあ? どういう意味や」 「そのまんまの意味たい」 ジロリと睨むその先に、相変わらず綺麗な顔で白石が立っていた。 「さっき汐屋と話してたやないか。あれから何か聞けたんか?」 「……その役、お前に任せるたい。俺には無理やけん」 「何言うてんねん。お前が聞かんで俺が聞いてどないすんねん」 苛立ちを覚えた千歳はゆっくりと壁にもたれたまま立ち上がる。 「俺じゃあ出来んったい」 「あ、おい、千歳」 吐き捨てるように言って千歳は白石の横を通り抜けた。 さっきから逃げてばかりだ。 「何や、あいつ……何かあったんか」 あんな風に苛立つ千歳を見たのは初めてだ。 千歳の寂しそうな後ろ姿を見つめると、白石は当たりを見渡しはじめた。 そして千歳が消えたのと反対方向へ歩き出し、自身の教室の前の廊下で目的の人物の後ろ姿を見つけると肩を叩く。 「汐屋」 「え? あ、白石君」 こちらを振り向いたのは汐屋だった。 「ちょっとええ?」 「あ、うん。私も白石君に用があったから、丁度良かった」 「ほんならあっちで話そか?」 そう言って二人は歩き出した。 千歳は意気消沈のままとあるクラスに向かっていた。 そこは例のハンドタオルを貸してくれた女子のいるクラスだ。 昨日買ったタオルを渡そうと思い、そこへ向かう途中で汐屋を見つけたのだ。 カサリとラッピングされた可愛らしい袋を握りしめ、肩を落とす。 別にプレゼントという訳ではないので店でも普通に自宅用として買って帰ったのだが、家で妹と母親にお揃いのタオルをあげた事から借りたタオルの話しになり、それなら綺麗にラッピングした方が喜ばれるからと、二人に勝手に可愛く飾られてしまった。 少し恥ずかしいとは思ったが、妹と母親が楽しそうにしているのを見て強く言えなかったのだ。 そんな優しさが千歳の良い所でもある。 が、おかげで随分と夢とロマンの詰まったラッピングに仕上がってしまった。 「あ、千歳君!」 教室の入り口から中をのぞいた瞬間、目当ての少女が駆け寄ってきた。 「ああ、丁度良かった。これ」 「えっ?」 「この前借りたタオル、血で駄目にしたけん代わりのヤツ」 「そんなん気にせんでええって言うたのに」 「そういう訳にはいかんやろ? ありがと、助かったばい」 「全然! あっ、怪我は大丈夫なん?」 「ああ、ちっと毛ば剃られたけんみっともなかけど、もう傷は塞がっとるよ」 「そうなん? 良かった~。皆心配しとったんよ」 「えらい派手にぶつかったけんね。それじゃ」 「あっ、ちょっと待って!」 「何?」 用事が済んだので自分の教室へ戻ろうと体を反転させた所で、少女が千歳の腕を掴んだ。 「あ、あの……」 恥ずかしそうに顔を赤くする少女。 もしやとは思ったが何も言わず、黙って千歳が首を傾げていると、少女の後ろに立っていた友人が少女の背中をつつく。 「麻美頑張り。勇気出すんや」 「大丈夫やって」 少女は友人達に急かされ、ぱっと千歳を見上げて言った。 「あ、あんな! 今日の放課後、部活が終わってからでええねんけど、ちょっと話ししたいねん!」 「うん」 「せやから、部活終わったら門の所で待っててくれる?」 「……別によかよ」 「ほんとにっ!?」 目を丸くさせる少女。 「ああ。話しがあるっちゃろ?」 「うんっ!」 「じゃあ」 「うん、またな!」 予想は的中した。 女の子が顔を赤くして話しがあるという場合、十中八九告白だ。 少女と別れて千歳は自分の教室へ戻る。 その途中、廊下を歩きながら先ほど汐屋と一緒にいた裏庭に目を向ける。 もうすぐ昼休みが終わる時間なので裏庭に人影はなかった。 すでにいない汐屋の輪郭を思い浮かべながら、ため息を吐く。 白石、か…… 手紙が引っかかっていた木の葉っぱが風で静かに揺れている。 汐屋の好きな人物を知った瞬間、千歳は勝てないと思った。 テニスの実力は五分かもしれないが、白石から自分へ汐屋の心を向けさせるほどの何かを、自分は持っていない。 顔では完全に負けているし、優しいとよく言われる千歳に負けず、白石も優しい。 女の子からの人気は自分もそこそこある方だとは思うが、積極的に女の子と交友を持とうとしない千歳の恋愛経験は無いに等しかった。 それに女の子と遊ぶよりもテニスをしている方が楽しいし、別に彼女がいるヤツを羨ましいと思った事も無かった。 第一部活が忙しくて彼女を作っている暇など無い。 同じように部活をしている連中から聞かされる彼女の話しは、部活と私のどっちが大事なの。などという返答に困る質問をされてケンカになったというものばかり。 そんな面倒くさいことに時間を取られるくらいなら、やはりテニスに打ち込んだ方が遥かに有益だと思っていた。 だが、今回ばかりはさすがの千歳もヘコんでいる。 自分の好きな子は、自分の友達を好きなのだ。 しかも全く気付かなかった。 考えれば考えるほどマイナス思考が広がって、午後の授業を受けた記憶もないまま、気付けば部活の時間になっていた。 千歳は重たい体を引きずり、部室へと向かった。 続く… お読みくださり、ありがとうございます。 まさかの展開。どうする、千歳。でございます。 次へ ↓ 不完全燃焼、恋愛模様.11
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不完全燃焼/スイッチが入ったら 不完全燃焼/スイッチが入ったら アーティスト 石川智晶 発売日 2011年7月27日 レーベル フライングドッグ デイリー最高順位 5位(2011年7月30日) 週間最高順位 6位(2011年8月2日) 月間最高順位 18位(2011年7月) 年間最高順位 89位(2011年) 初動売上 7346 累計売上 16408 収録内容 曲名 タイアップ 視聴 1 不完全燃焼 神様ドォルズ OP 2 スイッチが入ったら 神様ドォルズ ED ランキング 週 月日 順位 変動 週/月間枚数 累計枚数 1 8/2 6 新 7346 7346 2011年7月 18 新 7346 7346 2 8/9 17 ↓ 2472 9818 3 8/16 17 → 1521 11339 4 8/23 ↓ 1203 12542 5 8/30 907 13449 2011年8月 24 ↓ 6103 13449 6 9/6 689 14138 7 9/13 604 14742 8 9/20 487 15229 9 9/27 482 15711 10 10/4 405 16116 2011年9月 ↓ 2667 16116 11 10/11 292 16408
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原曲・石川智晶 作詞作曲・石川智晶、編曲・西田マサラ TVアニメ「神様ドォルズ」OP曲。 【登録タグ 2011年の楽曲 J-POP アニソン 石川智晶 神様ドォルズ】 カバーした声優 緒方恵美